[ こちらの物言いに、一瞬揺らいだ双角の瞳に公子も視線を鋭くするが、すぐにその色が諦めに似たものに変わったことに気付くと、手にした剣を腰に戻す。
柄から手を離す一瞬、パリン、と小さな音をたてて、右手を覆う氷が一部砕けて地面に落ちた ]
白角というのが、三番目の守り人か?
[ カークと双角の会話から聞き取った名に、そう問いを投げる ]
転移の前に、どのような相手か教えて貰えると有り難いのだがな。
[ 願い出る、かの言葉だが、口調は少々険を含んでいた ]
この様子では奥に行く程、封じられたモノの影響が強いのだろう?
毎度、情報の一つも無く、俺の臣を危険に突っ込ませるのは好まん。
[ 余所者であろうと、一時のことであろうと、自らが選び率いて来た者は、己の臣だ。
危険を承知の任とはいえ、その無事をないがしろには出来ないという公子の意は、守り人達には伝わったか* ]