―大広間―
[帰ってくる励ましの言葉>>147に、小さく頷く。
この村の方々は……本当に、優しい人達。こんな状況下ですら、私のことをこうして気遣って下さるのですから。]
はい……ありがとうございます。
[そうお礼を言って、ふと思い立ち、鞄の中身を漁りました。
そして取り出した缶詰をひとつ、彼女に渡します。]
よろしければ、どうぞ。
ブリザードに閉ざされて本当に怖いのは、寒さでも暗闇でもなく……飢え、ですから。
[寒さはやがて、嫌だって慣れるのです。いずれ体の感覚が、全て無くなって。
空腹は無くなりません。無くならないのです。それが私が10年前に、学んだこと。]
[本当ならこの缶詰も、自分用に取っておくべきなのでしょう。]
[でも、牧師様……お父様が助けたこの方にも、私と同じように、生きる義務があるのです。
私は、彼女が私の傍を離れると、そっと顔を伏せました。]