― 自室 ―[聞き慣れたノックの叩き方>>58を、どぅぞと促して礼儀正しい訪問者を招き入れる。まずは射られた矢のように鋭く素早く相手の持ち物チェック。右手、ごつごつした包み。左手、甘い匂いのする包み] …ん、ん。合格ぅ。[にんまりと目元を綻ばせ、ソファに埋もれていた半身を起こした。部屋は相変わらず物が散らばっているがシェットラントが自分でなんとかするのが常だったから放っておく。相手が欲しいものを提供する代わりに、此方も欲しいものを戴く――等価交換は実に素晴らしい仕組みだ]