[それからしばらくの間は、兄妹の所に滞在した。
形はどうあれ命を救われた、その恩義は返したかったから。
畑仕事の手伝いは今までもやっていたが、解説者付きというのはさすがに経験はなく。
けれど、それもそれで楽しいもの、と思いながら]
や、こちらこそ、お世話になりまして!
面白い話も聞けたし、美味い野菜も味わえたし、感謝しかないですよ。
[それでも、そのまま居つく訳にはいかないから、と。
畑仕事の区切りのいいタイミングで、旅を再開する事にした]
ええ、気が向いたらまた、寄らせてもらいますよ。
んじゃ、メレディスさんもユーリエちゃんも、お元気で!
[別れ挨拶は、今まで立ち寄って来た場所でのそれと変わらない。
気紛れな放浪は、文字通り風の向くまま気の向くままだったから。
それでも、またいつか会えるだろう、なんて予感はあった。
その場所と状況がどうなるか、までは。
全く予想もできていなかったけれど。**]