[ まさか、その隣で。
爆発で飛び散り、蒸発し立ち上る"赤"を含む煙に、
脳内の"ガルー"が、衝動を抱えているとは知らずに。>>95
喰らいたくない、と嫌悪しながらも、
本能が告げる、あれは上質なエサである、と。
もし仮に、彼女が誰かを、護ろうとするのなら。
獣の運命を、定められた死を、疑念を、受け入れ受け止め、それでも!
護るために、その牙と爪をふるうのであれば。
“あなたが守った船を、私も守ります”>>95
"ある人"とした約束は知らずとも。
“ほんとう”を失った“からっぽ”の獣になったなら。>>93
その鼓動を止め
安らかに、眠らせることくらいはできるだろう。>>94
守れなかった弟との約束の、真似事であれど。
それが "救い" になるのであれば。 ]*