[>>137遠くで悲鳴が聞こえる。 でも声はカークのもので、 いつの間にそんなに遠くに行ってしまったのかと、 朦朧とする意識のなかで、 握っているはずのカークの手首を、ただ強く握りしめた] え ま [上手く声にならない。 それでも名を呼ぶと、ねずみはカークへと飛び移る。 その頭上で、周りを威嚇するように。 それは、仲間が次々と袂を分かつ中で、 このやりとりが、万が一でもカークが魔物扱いされることを恐れる心を、ねずみが汲んだもの]