― 倉庫 ―[覚束ない足取りで倉庫へと辿り着く。冷たい床にゲルトが横たわっている。白いシーツを剥がせば痛々しい傷跡が露になった。…には見覚えがあった、確かにその傷は人間ではなく人ならざる者の仕業だ。始まっているのならば聲が聴こえている筈だ。だから信じられずにいたが、人狼に襲われたゲルトを目の当たりして漸く現実を呑み込む。]