―私室―
[普段眠ることがあまりないからか、心地良い眠りから目覚めるのは早かった。
ゆっくりと目を開き、そこが見知った自室であることを理解すれば周囲を見渡そうとして――]
……あ、ら?
[視界に入るのはジークムントと、名高い軍師ではあったが堕天したゲルト。
しばし二人をぽかんと見つめていたが、慌てて体を起こし状況を整理する。
あの時霧に包まれてからの記憶が無い。
ここが丘ではなく自室ということは、彼らが運んでくれたのだろうか。]
ジークムントに……ゲルト…?
[いまいち頭は覚醒せず、まだどこかぼんやりしながらもとりあえず名前を呼んだ。]