― 銀羊号第2エリア・とあるホテルの特別室 ―
この程度の規模の星系、どうなろうと連邦政府に対した影響はないのだがな。
[ 彼は一人ごちる。
彼の言う『この程度の規模の星系』――ギムレー星系の縮小モデルホログラムを目にしながら。
少なくとも彼の見解はそのようなものだ。
経済単位としても、選挙での票数としても。
宇宙連邦の巨大な圏域の中においては見るべきものはない。
様々な意味で政治というものに染まり切り、一個一個の星に対してそうした目線を向けるのが常になっている。
ましてや戦争による侵略を主とする主星に、それを革命によって覆そうとする勢力、果てには火事場泥棒でも目論むのか、海賊どもの台頭とあっては、もはや彼の目にはそこは蛮族どもの跋扈する遅れた文明の星系……そんな風に切り捨てるほかはない。
それがベルガマスコという男の思考だった。]