[しかし、時折思う。権力抗争に、政略結婚。それは、分家と本家の間でも起こりえる話。特に、騎竜師としての才はあれども病弱な弟を持つ身なれば、己の父の心無い思惑も多々浮かぶ。ならば。あの子はあの時期亡くなって、いっそ幸せだったのではなかろうか、と。従妹の辿った数奇な運命を知らぬまま。今は、溜息を吐くばかり*]