[地面にぺたりとしゃがみ込んで、
手にした銃をからん、床に落とした。
ふー……、と長い息を吐き出しながら、
少しだけ顔を上へと向ける]
……コラサーヴの民に押し付けるには
ちょうど良い小細工、だな。
[両手で受け皿を作るように膝の上で合わせ
そうすれば掌の上に咲く赤い薔薇。
真っ直ぐに相手に向けた瞳の色は、
まだ翠のままで]
いくら私が違う、と訴えても。
海賊を売るお前には届かない、か。
私の首など、最後にはきちんと
差し出すと言って居たのに。
[そう言って、哀しげに笑った。
掌の上に咲いた赤薔薇を握り締めれば
バラの棘が掌に赤い雫をにじませた]*