[>>135『逃がさない』――――。
その言葉は一体、どちらに対しての言葉だっただろうか。]
……
[>>136薄掛の布団を引き裂いて出来上がった細い紐を持って、近づいてくるロー・シェンに気づき。
緊張に身体を硬くするものの、逃げる素振りは見せずに、じっと待つ。]
逃げないよ…
僕は逃げないよ、ローさん…。
[>>138『追うよ』との言葉に安心したように微笑みを浮かべて、自分に圧し掛かって来る男を見上げる。
紐が後ろ手に縛るようだと分かれば、]
あの…縛るなら、前がいいな…。
[これから訪れるだろう行為への期待と恥ずかしさに顔を赤らめ、視線を逸らしつつも、
ぽつり、と小声で囁いた。]