18世紀フランスの哲学者ヴォルテールは「神聖ローマ帝国と自称し、そしていまだにそうしているこの集団は、いかなる点においても神聖でもなければ、ローマ的でもなく、ましてや帝国ですらない」とばっさり切っている。
「古代ローマ帝国」とは何の関係もないので、ヴォルテールの見方のほうが実情を正しく把握しているが…。
ときに、歴史には必然の流れというものがある。
当時の西ヨーロッパの国際情勢は混乱していた。
分裂していがみあっていては、縮小化・弱体化しくばかり。
要するに、全員が損をする。
ひとつにまとまった政治力・軍事力で、東ローマ帝国に抵抗したい。
というわけで、ローマ教皇レオ3世は何度も自分を助けてくれたフランク王カールに「西ローマ皇帝」の称号を贈る。
カール大帝の誕生だ。