酷い表情ですね、ウェルシュ王子。
この国が、このようになる日が来ようとは、
… 私も想像していませんでしたが。
[草を踏む靴は音を立てない。
代わりのように立つ音は俺の声だった。
何処か余所余所しさを作るかのように、あの当初は口にしなかった敬語で以って彼の前へと歩み出た。]
……… 御久し、振り…ですね、
先日はベルフィをありがとうございました。
[片膝をその場に着いて一礼するとそのまま顔を上げずに、あの日、白雪が持ってきた金の紐を差し出した。
俺が口にしたいのは、そんな言葉ではないと言うのに。
それ以降の言葉を、言おうか考えて、一度飲み込んだ。]*
、 …………、