人狼物語−薔薇の下国

238 奪還試験


神秘学者 アデル

― 後日・『斎の隠れ里』 ―

[一先ず、行動拠点としている街まで戻り、休息を取った後。
向かったのは、深き緑の森に抱かれし隠れ里]

……何年振り、だっけ。

[導無き者には見る事も出来ぬ途を辿り、たどり着いた先。
見えた小さな門に口を突いたのはこんな呟き。
淡い緑に揺れる、どこか複雑ないろは、傍らの彼には容易く見て取れる。

里から出されたのは五つの時。
十七年ぶりに見たそれは、どこか遠い場所のようにも思えたが──それは一時、振り払い。
門の前に立つ番人へ向け、優美な仕種で一礼した]

……長殿に、言伝を。
『自鳴琴』が、戻りました、と。

[短い言葉は番人に驚きを齎し、その驚きが森の中の里に広まるまでは、そう長くはかからなかった]

(146) 2014/08/27(Wed) 21:35:04 (tasuku)

SWBBS V2.00 Beta 8++ あず/asbntby