[答えのない呟きに、応えようとする気配。風の音。……ただ風に吹かれる細木のように、寄る辺ない気持ち。彼のように、迷いがあるならば。まだ、掴める気がするのだが] 生きてて、嬉しい。 ……それだけ、か。 ―――……そう、だな。[彼の大切な人は、彼の腕の中で死んだ。生きているだけで嬉しい、それだけのことが叶わない彼が、自分に語りかける言葉。>>105 ……ぎりぎりで保ったものを、切り分けるような、言葉]