[ 昔々、ネリネの花が二番目に好きだと言った次の日。
一番好きな花の名前を学者は彼女に伝えなかった。
…もしも、それを口にしたら
何となくもう会えなくなってしまうような気がした。
彼女が再会を楽しみにしてくれていたのだとしても
拘留されている身の上のロー・シェンと会っている
そのことが他の船員にバレたらどうなるのだろう。とか。
色々と考えた結果、何やかやと理由をつけて言わなかった。
彼女とは、小さな扉の窓越しに話しているだけでいいと。 ]
僕が君の上司だったら…そもそも
君をこんな場所にずっと居させたりはしないけどね
…君は"力強くて凛々しいひと"だから。
[ 守られるのは嫌だという>>93彼女の言葉で、
彼女が野花を好きだと言っていたことを思い出す。
力強くて凛々しく生きている花が好き。>>20
嘗てそう言った彼女。
もしも今ここで、学者が彼女を襲ったとしたら
彼女の芯の強い笑顔はどうなるのだろう?
と、そう考え始めれば欲求の蓋が開きそうな気がして
ロー・シェンはスノウを撫でる>>94から視線を逸らした、
……その時だっただろうか、ソマリの姿が見えたのは。* ]