― 誰が死ぬのを見届けた? ―
『 それは私とハエが言いました。 』
[ 宮廷画家は暗闇の中で呟く。
流星のような鋭さで
何かが飛んで行った気がした。>>129
肌寒い日に星を見ようなんて
酔狂な真似をしていたお陰。
…そう言えば幸運のようだけれど
実際に硝子の割れた音を辿ってみれば
王の私室から見知らぬ人物>>131が出てきて
咄嗟に物影へ身を隠した後
誰の気配もないことを確認してから
王の私室へ忍び寄って――見た。
明らかに死んでいる人影。
顔を確認せずとも分かる…この国の王、だった人。 ]