[やがて目撃証言からシラーの宿にディークが居ると知り、男は警吏を向かわせる。
少し遅れて宿へと向かえば、犯人は警吏相手に乱闘を起こし>>129、宿は大騒ぎとなっていた]
何を手間取っている。
[眉を顰めながらやり返された警吏を下がらせ、暴れるディークの腕を掴みあげようとしたが、上手く身を捻られ躱された。
更にはこちらへと一撃食らわせようとする動きに、今度は男がその腕を往なして弾き返す。
どうやら相手も腕は立つらしい]
流石は軍学校の成績優秀者と言ったところか。
[感心したように紡ぐと、警吏から「殿下!」と案ずる声が上がった。
大事無い、と手でそれを制していると、ディークは抵抗を止めたようだった>>130]
殊勝だな。捕らえろ。
[観念したと判じ、男は警吏にディークの捕縛を命じる。
こうしてディークはモンテリー王国の未決牢に入れられることとなった]