[傍らに控える三者へ、魔王は詳細な命令を下しはしない。 彼らの力が合わされば勇者一行に後れを取ることはないと、魔王は確信している。 ――しかし、瞬間瞬間においてはその限りではない][真っ先に神樹の巫女を狙った魔獣。 その判断を魔王は内心で支持したが――次いで勇者の選んだ行動は、彼の者を護ることではなかった>>141] ――はっ![真っ直ぐに玉座へ向け駆ける、その姿に魔王は犬歯を覗かせ笑った。 見込み通りとでも言うかのような表情であった] よかろう、その力―― 我輩自ら量ってくれよう!