[天使の知識に対しては乏しかった。自分には関係の無い事だと思っていたし、何せ出会えるとは思ってもいなかったから。受肉するだなんて、尚更。
服の上からではあまり変化も見られない、というのも失礼な話なのだろう。事実、胸は然程変わっていないのだから気付けという方が無理というものだ。
彼女の意識は今こちらに向いていない事くらいは、長年の経験から理解は出来た。何処に向いているのだろうか?人質?と視線を巡らせた所で、心当たりは無い。もしかして、落ちた時に大きな怪我でもしたのだろうか。
それは大変だ。未来の花嫁が怪我でもしたのならば、心配するのが夫の役目というものだろう、なんて能天気にも考えていたが、そうではないようだった。]