[眇めて見回すのは、主に西寮の卒業生が集まっている一角だ。世話になった西寮長に、別れを述べたかった後輩は多くいる。誰も何も口にしてはいないが…――ふっと落ちる沈黙に、物寂しげな想いが滲んでいる]最後の仕事は答辞だけじゃねェんだぞ、…阿呆が。[こればかりは代役など居ないのだから]