[前陣に立てていた隊は厚みはあれども、歩兵部隊が主立つ壁だ。盾を構え、魔法弾と投石器での攻撃を警戒して並べられた歩兵隊では、機動力には鈍く、騎馬兵の突破には脆い。]──ちっ[本隊後方にいる目からも、前部隊が突破に切り崩されるのは見えた。雨後の泥のぬかるみを踏み荒らしながら、帝国騎部隊が突破口を開いていく。]