「みんな、聞いて欲しい。
外に出ても、私たちは殺されるかもしれない。
けれど、ここにいても、殺されるのは同じ。
それならば、この娘さんを信じてみてもいいのでは?
私は、もう一度太陽の光が見たい。
同じ死ぬのなら、太陽の下がいい。
私は、この娘さんと一緒にいくよ。」
[老人を支えていた者が主に解放隊に向かって老人の"言葉"を伝える。
人々の沈黙の色が、少し変わった。
やがて、「それもそうだな」とどこかで声が上がり、「私も外に出たい」「こんな暗い中はいやだ」と賛同の声が続く。しきりに指を動かして会話する者たちもあちこちにいた。]