[「お前だけでも助かってよかった」と、そういう嗄れた声に覚えるのは居心地の悪さ。洗いざらい白状したくなる気持ちを必死に押しとどめて、ただただ小さく震えていた。彼が小さな嘘も見逃さないというのであればきっとその嘘は上手く隠せたのだろう。嘘は真実として、塗り替えられたのだろう。]