[報告の場にシロウは控えていただろうか。
もし居るようならばその場では口を閉ざし、解散の声の後に。
そうでなければ「何もなければ」の声に片手を挙げ、大佐の執務机へと一歩踏み出す。]
…一点、お耳に入れたいことが。
今回の作戦時、『猫』の働きにより、我が軍は敵の動きを事前に知り備えることが出来ました。しかし敵兵の動きもまた、まるで我が軍の動きを察知しているかのようであった、と…何人かの部下からの報告を受けています。
フェーダが長くロストルムに特務員を潜伏させることが出来ていたよう、敵国側からの潜入員の可能性にも、今後は特に留意された方がよろしいかと。
戦線がここまでせり上がり、前線拠点同士はもはや距離にして精々20キロといったところ。論理的には、どのようにでも行き来が可能です。