[剣を握る利き手を捕えられたまま、礼を言うべきだろうか、と一瞬疑問が過る。けれど、ディークへと浴びせる容赦ない打撃を見れば、たちどころに疑問は霧散した] ――…ッ、やぁ…っ 止めて、って言ってるでしょう!?[ごきりと何かが砕けるような音を、鋭敏な耳は聞きつけた>>138涙混じりの悲鳴を上げて、捕える腕を振り解こうともがく。すぐ傍で答う静かな声が、いっそう憤りを煽り立てた>>144] 私、は……そんなこと、求めてない! 傷付けないでと頼んだのは、彼の方よっ!