― もしかしたらあるかもしれない未来 ―
[>>136人里から離れた場所に、久しぶりに客人が訪れた。
そう大きくはないが品のいいこの屋敷は、この地に来てすぐに気に入って住処としたもの。
―この場所に、人は滅多に入り込まない。
愛しい人と過ごす時間を邪魔されない、そんな居場所を男は求めていた。]
クレステッド、久しぶり。
…そうか?空気はうまいし、そう悪くはないぞ。
[クレステッドを出迎える男の姿も、別れた頃と変わりはない。
吸血衝動が低いとはいえ、人の中に住まうクレステッドは男からは危なっかしく見える。
―人に正体を知られてしまったらどうするのだ、と。
吸血種には、束となっても人には敵うまいが。]