……んっ……、あぅっ……っ……ぐっっ……。
[バルタザールに届け物を預けた後、一旦眠りに就いたものの、再び体のだるさと息苦しさで目が覚めることとなった。
体温計を持つこともできない、身動きも取れない。薬を取りに行くことも――出来ない。
はぁ、はぁと呼吸は荒くなる一方で、先程と違い、息苦しいのに咳が全く出ない。
皮肉なことに、もし激しい咳が出ていたならば、隣室のファミル、近室のオズワルド辺りになら聞こえていたかもしれなかった。
先程の会議中で出た、皆を襲った感染症に罹患したのだろうか。
薬が切れた上、連日溜まるストレス、栄養不足により持病が悪化したのか。
それすら判別できなくなっている。頭がぼうっとしている。
先程食堂から離れる時に、皆が心配そうな顔をして見つめていたことは、うっすらと覚えている。]