― 司令室前/回想 ―
[思い出す。彼女と親しくなった切欠は、チェスに付き合うようになったから。
まだ初心者だと言った自分にも、彼女は容赦なく強く――]
「シューぽんは、力技でなんとかしようとしすぎなんですよぉ」
[初心者ゆえ、クイーンに頼りすぎてそんな風に笑われた。りっちゃんはチェスに付き合ってくれない、とも。]
「ナイトは特異な駒なんですから、使わない手はないですねぇ。ほら、これで…チェック、です♥」
[そんな風に、彼女は笑った。ナイトの動きは全てを知っているんだ、とも。
部屋の中には入らない、入れない。そんな資格はない。けど、そんな事を思い出しながらぽつりぽつりと話した声は、ローレル>>47には聞こえていただろうか]