[かつ、 ……、
─── 異様に靴音が響く気がした。]
…まぁ、人が少ないから… だよな、
[余り嬉しくない、と思いながら、俺は城の廊下を歩いていた。
そこに過ぎっていく近衛兵達は、確か身辺護衛の兵だったと記憶しているが。>>137
どうやら急いているらしいのは、表の現状を思えば当然かもしれなかった。]
…こんな王宮内にまで態々。
王子様に会いにくる鷹匠って呑気過ぎないか。
[自問してみたところで答えはない。
もし、何時ぞやの街で見かけた、あの特徴的な桃色が目に入る事があれば、物陰に身を潜めてやり過ごそうとしただろう。>>139
王子は私室の方には既にいなかった。
なら何処に行けば会えるかと考えて、先延ばしにしようかとすら考えて。
…窓の外を見た時、中庭に見付ける。]