― リオレ軍港 ―
[己の休息も挟みながら、ヴィクトリアはメンテナンスの始まった巡洋艦ヴァイを眺め見た。
”鳶”の名を持つこの艦は、その名の元になるように旋回能力長けた作りをしている。
故に巡洋艦の中では小型の部類に入り、搭載される兵装は随分と限られた。
主砲は前後に1門ずつ、副砲は左右に4門ずつ。
装甲はそれなりに装備されているが、他の艦に比べれば薄い方だった。
詰まりは回避を念頭に置き、戦場を駆け抜け翻弄するのを念頭に置いた艦なのである]
これ以上装甲付けたら速度落ちるよな?
[整備士に問えば是が返る。
一撃食らえば大ダメージとなること必至。
この艦で戦うには、砲弾や爆撃を受けないよう常に動き回るのを前提にしなければいけなかった]