人狼物語−薔薇の下国

448 vinculum lapis


電気石の赤鬼 キアラ

[やがて傷の痛みは消え、火傷の痕もそれとわからないほどに回復した。
 言われるがまま指を動かしてみれば、引き攣れを感じることもなく動かせる。
 鬼族どころか、並の治癒士でも、短時間でこれだけ治療するのは難しいだろう]

 あ、あの……ありがとう……。

[まだどこか惚けたような声で、小さく礼を言えば、相手からは満面の笑みを向けられた。
 そこに、今更思い付いたように問い掛けられて>>120]

 その、……修行中だったんだ。
 将来のために、少しでも強くなっておきたくて。

[言いながら、少女は無意識に右耳の石――赤から黄を経て緑へ、鮮やかに色を変える電気石に触れる。
 他方、左耳には対照的に、光通さぬ漆黒の石が揺れていた*]

(144) 2016/09/16(Fri) 00:28:47

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