さーてっと……なんだよ
野菜が入ってるやつばっかだな
[配給所に置かれたダンボール箱。文字通り自由に漁って目当てのたまごサンドと、パックのアイス珈琲を手にすぐ近くの客室に移動した。
いくつかのベンチやテーブルが並ぶ中、進行方向に窓がある席を陣取る。そこに先客はいただろうか。
まだ船が着くまで時間はあるし、そこまで腹も減っておらず。
海と空、デッキに佇む人をしばしぼんやりと眺めて、バッグから手帳と、それに挟んでいた一枚のポラロイド写真を手に取った。
二桁に満たない自分と、もうひとりが揃ってピースサインをしている。
背景に写るのは、今目指している島の一角だ。]