[全部終わったら、帰る。それは、当たり前のことだと思っていた。向こうでやる事、やりたい事はまだまだたくさんあって。こちらの世界に、唯一と言える得難いものはあっても──積み重ねてきた、もうすぐ17年目を迎える蓄積は容易くは捨てられなくて。でも、風が二つの世界を越えて繋がっているのはわかったから。離れても離れてないんだ、と。それで、気持ちを切り替えようとしていた──のに]