― セーラーテクニック店内 ―[むすっとしながらも、料理を作る手並みは総菜店で日々鍛えているだけあって速い。ガス台も無いところでチャーハン作ったりしていたら、ふと視線を感じた。しっとりと落ち着いた色を纏うグレートヒェンが、今日の主賓と、なにか話している。それに気付いた瞬間、カウンターの中を脳内で66往復ほどかけずり回った。この、毛皮のコートを頭からすっぽり被って、商店街のゆるきゃらみたいになれたらいい。心底、そう願う。]