御意。[ 短くも、揺るぎない声で答える。この言葉を最後に口にしてから、10年が過ぎていた。] ── 我が主。 私のすべては御身のものです。[ 涙の滴が折れた剣に滴る。指をかざし、滑らせれば、クレステッドの天命石にも似た透き通る水刃が形を作る。余人には折れた剣と見えても、互いの目には元の鋭利さを取り戻したことを伝えるよう。]