[>>ふわふわとした耳に触れる
彼女の言葉に頷いた]
…みたいだな。
狐か狼、か?
[地上にいったとき、森で似たような耳をした
生き物を見たことがあったように思う。
裾をめくってみれば変じたのは獣の耳ばかりではなく
腰のあたりからは獣の尻尾。
そうして指先には鋭く硬く変わった獣の爪。
ふさふさとした尻尾の毛並みから
どうやら彼女の身体から
現れたのは狐のそれかとひとつ頷く]
ん…そうだな。
[この変化が瘴気病みに因るものなのかはわからないが
ともかく休める場所は必要だろう。
どことなく潤んだ青い瞳といい>>132
今の彼女は、常の状態であるとは言い難い。
おいで、と引き寄せようとしたところで
傍へ寄ってきた彼女が振り上げた手が一瞬見えた>>131]