はっきりしていることは一つ。俺のせいで、お前の両親は死んだ。・・・それじゃ、不服か?[頬を伝う紅を、何とか動く左腕で拭い去ると。手の広が血色に染まる。それを少しの間、じっと見つめて。嗚呼、とっくの昔にこの手は汚れていたんだ。]ヨアヒム。俺は狂人《リーザ》の兄で。お前の仇の一人だ。[首をゆっくり回すと、今まで浮かべていた悔恨をさっと一変させ。ギリギリで視界の端に捉えたヨアヒムに向けて、焚き付けるように笑いかけた。]どうした?ずっと練習していたんだろう?――そんな刃じゃ、俺は殺せないぞ。