[ この天使も天使で駆り出される可能性は
十分にあったのだが、
適正値は然程高くはなかった。
天使としてその結果は満足のいくものだった。
天使の父であり敬愛すべき神の命ならば
喜んで従うべきだと分かっていながらも
神の尖兵は悪魔の誘惑に触れる事も多い>>68
誘惑に惑わされ堕天した天使の話は
幾らか聞いているものだから、
蒼眼の天使からすればその機会が遠のく事は、
壊れぬ安寧を甘受出来る。
この天使にとって悪魔は触れたくないものだ。
しかし戦わねばならない場面ならば
武器を持って立ち上がる事も考えてはいる。
だがしかしそんなものは下位の天使に
やらせておけばよいのだ。
悍ましい者を見る度、手袋の皺を強く残した。 ]