……あの人、多分、外から来た人だよ。
里の外じゃなくて、この、島の外、から。
たまに、そういう人が来ることがあるんだ、って、学館でも聞いた。
[できるだけ気を鎮めて告げた言葉に、また古老たちがざわめく。
そのざわめきは、族長が手で制した]
どこから、なんのために来たのか、とかは全然わかんないけど。
このまま、ほっといちゃいけない……そんな気がするんだ。
だから……。
[言い募ろうとした言葉は、盛大なため息によって遮られる。
言い出したら聞かない我が子の気質を知るが故か他に思惑があるのか、族長は『お前が責任を取るなら』という条件付きで、来訪者の滞在を受け入れてくれた]