[...は慌てて身を離すと、]
そ、そう。貴女に用意していたものが、そこにっ…
[再びの早口でいそいそとカウンターの内側へ回り、隠すように置いてあった白い花束を取りだした。]
いつ渡そうかと迷っていたら少し元気がなくなってしまったが…
でも、良い香りだろ?俺の一番好きな花だ。
[...はナネッテに花束を差し出した。真っ白な梔子の中に一輪、アイリスの添えられたシンプルな花束。]
……貴女がいつか故郷に戻る時に、勇気を支えられるように…と花言葉など調べてもみたが。
ん…俺が共に行けるのなら、必要なかったかもしれないな。
それでも良ければ、貰ってくれないか?