(寒……)
[雷鳴はいつの間にか止んでいたが、代わりに立ち込める冷気。
ふるっと、少女は小さく身を震わせた。]
『……にしても、初対面のねーちゃん相手にようそんなにベラッベラ喋るな。
そこのガキんちょ一人相手ならまだしも。』
[“話”をして相手を知るなど、こんなコロシアイに近いような舞台では自分の寿命を縮めるだけの絵空事かもしれない。]
(……でも私にはこれしかないから。)
[話し合いで終わらせることが出来なかったとしても、全くの無意味ではない――と思いたい。
月桂の最期を思えば、少しだけでも意味があったのでは、そう考えずにはいられない。]
[けれど、
二つ分のジェムを持った見習い魔女が話し合いを持ちかけるなど、鴨がネギを背負ってるようなものだ。
彼女の目に、少女はどう映るのだろうか**]