[もっと早く気付けていたならば、彼の姫が歌われなどと言われ続けることも無かっただろうかとは、今更考えても仕方ない。
代わり、この後悔は今代の姫には引き摺らぬように、と。
気付かせてくれた玄武神への感謝、その妻たる姫への気遣い至らなかった謝罪をこめながら言葉を返した相手。
彼が、蒼龍神の齎した木気>>126に紛れて動き出す>>127のを見ながら、微か息を落とし、凝らす。]
…貴方にもしもがあっても、姫は悲しみましょう。
ですから──お頼み申します。
[信じて任せるが、無茶はするな、と。
願う呟きは、レトを補佐する為に動かんとするクリフにも届いたか。
どちらにせよ、男は金の気を御するため、意識を術へと集中し直した**]