[庭の一画に、磨き上げた大理石の玉を並べて行く。
配置は、重ね五芒星の頂点と同じ位置。
その周囲を取り巻くように、水晶を砕いた粉を円形に振り撒いた。
陣の構成を縮小したようなその中心に、調達した触媒の血を注がせる]
…………。
[紅が供される様子を見る青年の瞳にあるのは、冷めたいろ。
やがて、水晶粉の描いた円の内を紅が満たすと、触媒を下がらせた]
まだ、死んでねぇなら、手当しとけ。
……稀少な触媒、無駄にはできねぇ。
[助手として選び出した術師にぞんざいな声をかけた後、自身は紅に満たされた円へと向き合って]