[ 癖のように地面の石ころを手に取り 強化の術を掛けようとしたけれど―― ] …やっぱ、まだ駄目か。[ 妖魔の影響が残るせいだろうか、 石ころは頑として輝かぬまま。 でも、これできっと良かったのだろう。 私と道化師との未来はもう輝かないのだから。 ] ごめんね、前みたいな綺麗な石は出来ないや。[ 本当ならば鴉を振り払って ローゼの元へ返すべきなのだろう ただなんとなく名残惜しくて 振り払うことはせず鴉の横に唯座っていた ]