[魔王の指が伸び、黒の魔が跳ぶ。低い軌道が差す先は――>>137] む。[振り下ろされる腕がうなり、五条の刃風が吹きすさぶ。長い呪文を唱える暇はない。だから後ろに跳びながら言葉を叫んだ。] Tog Go《これでもくらえ》![魔力秘めた言葉に反応したのは風精だった。圧縮した風が黒虎の衝撃波とぶつかり、弾ける。] 任せられたのじゃ![生じた爆風に乗ってさらに後ろに跳びながら、駆けていく勇者に叫んでいた。*]