― まどろみのなかで ―[いくつもの手に押され、押し上げられていくさなか。見知った金の髪を見つけて、息を呑んだ。氷の彫像よりなお涼やかな相貌。触れれば切れそうな才知宿す瞳。記憶にある姿そのままで彼はそこにいて、門の前に倒れていた姿態との差異が胸に響く。] ――― シェルティ。[悼む心をよそに、呼ぶ声が喉を滑り出た。]