[数年後。帝国の規模は初代皇帝が最初に興した範囲まで縮小し、周辺には真の帝国を名乗る国や、独立自治を掲げる街など、様々な小国家、小勢力が乱立していた。その中に二代皇帝の影は一切無かった。敗戦の直後、腹心が帝都に現れてウルとアプルトンと宝石を大量に持ち出したという記録はあるものの、皇帝本人の記録は無い。人々の間では、一騎討ちの傷が元で死んだとも、腹心に殺されたのだとも、逃げ延びて再起の機会を窺っているのだとも噂されている。*]