[ 足取りは重くゆっくりと見えるのに、男の歩みは速い。並ぶ兵士達の後ろから、一気に前に出ると、フェリクスとベリアンの間に立つ。 ]どのような仕儀で一騎打ちとなったのかは聞いた。ゼファー軍将軍バルタ・ザールの名において、ここは兵を退く。が、貴殿も傷の手当てがあろう、こちらの退却にも暫しの猶予を頂きたい。[ 願う言葉を伝え、その返答がどうであっても、フェリクスの方へと馬を寄せ同じ緋に濡れるも構わず、その肩を支えた。>>137 ]